何世紀も前からハーブを使った香りの魔法は秘伝とされ、大切に継承されてきました。本書では、古代から受け継がれたレシピをひも解き、ハーブの香りを使って、人生をより豊かにする技を教えています。
香りは、サイキック能力や霊性を高めるだけでなく、愛や豊かさ、他人や自分自身さえも癒す自然からの恵みです。インセンスやオイル、軟膏やハーブソープなど、オリジナルの香りはさらにあなたを魅力的にしてくれます。
あらゆるシーンに役立つレシピを惜しみなく紹介した、この香り完全ガイドは、初級者から上級者までおすすめです。香りの魔法を詳しく学びたい人も、香りを日常的に取り入れたい人にも必読です。
何年か前、私は魔法の香料であるインセンス、オイル、サシェ、その他のハーブ製品について概説する本を書き始めました。インクや軟膏などあまりなじみのないものも取りあげて、魔法の薬草学のあらゆる側面に対する人々の関心を高めようとしました。1985年にその本が完成し、翌年、ルウェリン・パブリケーションズから『The Magic of Incense, Oils and Brews』(「インセンス、オイル、ブリューの魔法」未訳)として刊行されました。
本を出してもなお、このテーマに関して書き尽くせていないことに私は気づきました。その後も私は神秘的な薬草学の技を実践し続けました。知識が深まるにつれて、同書を大幅に補った本が必要だと悟りました。
そしてこの改訂版ができたのです。初版の情報は大方そのまま残し、より完成度を高めました。100を超える新しいレシピを追加し、その大部分に読者から要望があった調合比率を示しました。すべてのページをわかりやすいように書き換え、章と項目をいくつか追加しました。
PARTⅠの第4章「材料」は、ハーブのブレンドに使用する植物とオイルを一般的なものから珍しいものまで概観し、推奨できる代用品を紹介します。
同第5章「自分のレシピを作る」は、まさにタイトル通りです。手順ごとに説明しながら詳しく解説します。
PARTⅡの「ティンクチャー(チンキ剤)」の項では、オイル抽出法の代用として、植物の香りをアルコールでとらえる簡単な方法を紹介。「儀式用石鹸」では、さまざまな目的で使用する魔力を持つ石鹸の簡単な作り方を詳しく教えます。
「パウダー」の項では、細かくしたハーブのブレンド製法と珍しい使用法を紹介します。
PARTⅢの「はじめに」では、魔法に使う適切な代用品の例を多数紹介し、表も大幅に補いました。特徴としては、具体的な代用品のリストを追加したことです。たとえばベラドンナの代用品はタバコ。サンダルウッド(白檀)の代用品はシーダーといったリストです。
また、各種の用語を定義する「用語集」を追加し、「植物名の索引」にはすべての植物名に、紛らわしさを排除するためのラテン語名を並記しました。
改訂版の原稿は初版の倍近い量になりました。もちろん私は今なお学習途上ですが、本書はこのテーマに関する総合的な入門書として活用していただけるものと感じています。
本書は拙著『願いを叶える魔法のハーブ事典』(パンローリング刊)と併せて読み、併用されることを想定していますが、もちろん本書単独でもお使いいただけます。
結局のところ、最高の教師はハーブそのものです。文章はハーブが教えてくれることを反映しているにすぎません。大地の秘密を知るには植物や花や木に目を向けなければなりません。本書のような文献は、その道を示す道標となります。
できるだけ植物に会いに外へ出ましょう。植物を生活に取り入れ、そのエネルギーに気づいてください。インセンスが燻り、魔法のハーブ水がフツフツと煮え、オイルが香りを放つとき、そのエネルギーを取り込んでください。
儀式のための薬草学は、この世を去って久しい私たちの先人からの贈り物です。それは、いにしえより伝わる自然に触れる技です。秘密はそれを見つけたいと願う人にだけ明かされます。